《上原公園 保育室建設計画に対する7つの懸念》
①近隣住民の憩いの場が、大幅に縮小されること
もともと、上原エリアには200~300㎡程度の狭い公園が多く、広い公園がほとんどありません。そのなかで上原公園は977㎡と中規模であり、ゆとりと憩いを求めて多くの住民が集まってきています。こうした貴重な場所に、50名以上を収容する2階建て保育施設が建てられようとしています。施設の周囲にはセキュリティゲートを確保する必要もあることから、現実的には公園の大半のスペースを占拠する可能性があります。貴重な憩いの場が大幅に縮小してしまうのです。
②サクラやケヤキなど、園内の貴重な樹木が伐採されること
上原公園内には樹齢50年を超えるケヤキや、春には美しい花を咲かせてくれるサクラ、秋には鮮やかな紅葉に染まるイチョウなど、私たちに季節を感じさせてくれる樹木がいくつもあります。今回の建設計画によって、その樹木が伐採されてしまう可能性は否定できません。都会のなかで貴重ともいえる自然環境をぜひ守りたいと考えます。
③近隣の保育施設が園庭代わりに利用できなくなること
上原公園は近隣住民の憩いの場としてだけではなく、「みらい園」「薫る風上原こども園アイリス」をはじめ、近隣の複数の保育施設が連日“園庭代わり“に遊び場と利用しています。ここに保育室を建てるとなると、現在ある「砂場」や「遊具」が撤去されてしまう恐れもあります。待機児童解消のため、新たな保育室の確保はもちろん大事ではありますが、既存の保育施設の子どもたちの“最低限の保育環境”を守ることも、広い園庭を持てない都会だからこそ非常に重要です。
④上原公園は水深2メートルのハザードエリアに指定されていること
渋谷区のハザードマップでは、上原公園周辺エリアは、豪雨などによる洪水時に水深2メートルの浸水可能性がある「ハザードエリア」に指定されています。事実、一昨年夏のゲリラ豪雨の際には、上原公園に隣接する民家で大きな浸水被害があり、消防車が出動する事態も起こりました。そのような災害危険性のある場所に新たな保育施設を建設することに対し、大きなリスクを感じます。
⑤15倍以上広い大山公園と、全く同規模の施設を計画していること
今回の建設計画では、大山公園と上原公園の2公園が建設候補地となっています。ちなみに大山公園は15096㎡と園内に野球場などもあり、渋谷区でも有数の広さを誇る公園のひとつです。また、周囲に隣接する住居もありません。その一方、上原公園は大山公園の15分の1にも満たない977㎡と決して広くはありません。かつ、周囲にはマンションと民家が隣接しています。もしここに2階建ての保育室が建つとすれば、近隣住居に大きな影響があることが予想されます。
こうした圧倒的な広さの違いや、周辺環境が大きく異なるこの2公園に、全く同規模の保育施設が建てられようとしています。近隣住民への配慮が欠けたこの計画のアンバランスさに、強い違和感を覚えずにはいられません。できるだけ住民への影響が少ない大山公園のほうに、建設計画を集中することはできないのでしょうか?
⑥遊休施設の利活用などの代替案を含め、候補地選定のプロセスが明らかでないこと
2億円以上の予算をかけて、なぜ新たな、しかも仮設の施設を建設するのか。小学校の空き教室といった、既存の遊休施設を利活用するなどの「代替案」はなかったのか。それらをどこまで真剣に精査し、検討したのか。候補地選定のプロセスについて、区側から納得できる説明はありません。
⑦9月開設という目標ありきで、住民との協議を先延ばしにしていること
何よりも驚きなのは、「建設計画の性急さ」です。1月末の区議会での予算承認からわずか7か月後の今年9月には、保育室を開設しようとしています。その短い期間のなかで、近隣住民との協議、設計、工事を一気に進める計画です。しかし、予算案承認から1ヵ月半経った現在においても住民説明会の開催日すら決まっていません。ちなみに1月の予算案承認時には、区長および担当者から「住民と充分な協議をする」という答弁がなされました。にもかかわらず、現状の渋谷区の対応を見る限り、本当に私たち住民の声を真摯に聞くつもりがあるのかと、疑念すら感じます。「このままでは、住民の声を無視して計画が強行されてしてしまうのではないか」という強い不安の声も上がり始めています。
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このように、今回の建設計画にはいくつもの懸念点があります。“みんなの公園”だからこそ、近隣住民や利用者の声をきちんと聞いてから計画を進めるべきです。それを渋谷区に強く訴えるため、我々は活動を行っております。
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